(令和7年6月4日掲載) 令和7年5月22日(木)、鳥羽商船高専は「一日高専体験」を実施し、神島小中学校の児童・生徒6名が参加しました。 三重県鳥羽市は、伊勢湾に面した自然豊かな立地を活用し、独自の海洋教育カリキュラムを実施しています。今回の一日高専体験は、神島小中学校からの要望を受けて実現したもので、神島から普段見ることのできる大型船の役割やそれを支える技術者のことを直接知ってもらうことを目的に実施されました。 まず、児童・生徒は商船学科において「ものはこび」を学ぶ高専生の授業を体験しました。練習船鳥羽丸に乗船し、船内教室で神島から見ることのできる船はどんなものを運んでいるのか、どんな技術者が乗船しているのかをクイズ形式で学びました。その後、児童・生徒は航海士の仕事を学ぶため、船橋に移動し、双眼鏡を使って海況を確認したり、本校教職員の指導の下、操舵しました。また、機関士の仕事を学ぶため、機関制御室に移動し、機関長から機関士の肩章についてどんな由来があるのかを教えてもらったり、エンジンルームを見学しました。さらに様々な機器の整備に欠かせない研磨作業を行い、号鐘を磨くことで機関士の仕事を体験しました。商船学科を体験した児童は「すごくおもしろかった。かっこいいと思った」、生徒は「何度も船に乗ったことはあるし、いつも船を見ているけれど、今日はいつもとは異なる船を知ることができた。船の見方が変わった」と笑顔で話しました。 次に、児童・生徒は情報機械システム工学科において「ものづくり」を学ぶ高専生の授業を体験し、児童はロボット操縦を、生徒は画像認識システムを体験しました。ロボット操縦では、いくつかのプログラムが設定されているものを用いました。児童は、定められたコースに沿ってロボットを動かすため、どんなプログラムを設定すればよいのか、どのような方向で何秒動けばよいのか等を考えながら、プログラムを組み立て、何度も試行していました。ロボットをゴールまで動かすことができた児童は「ゴールさせることができて嬉しかった。もっと色んなコースに挑戦してみたい。とてもおもしろい」と話しました。一方、画像認識システムでは、生徒はGoogleが提供している機械学習モデル作成ツールを使用し、ポーズを認識するというディープラーニングのひとつを体験しました。これは、ウェブカメラで撮影した生徒のポーズをコンピュータが収集・学習し、対象の画像を認識するというものです。生徒は①バンザイ、②非常口、③マッスルという3つのポーズを撮影してコンピュータに学習させたあと、コンピュータが学習したポーズを実際に認識できるかどうかを試しました。体験した生徒は「普段、AIを使っていると思うけど、どんな仕組みで作られているのかを知ることができてよかった」と感想を述べました。 今回の一日高専体験は、見る・聞く・触ることに加え、考える・やってみるという体験を含んでいることから、 本校では問題解決能力や創造性を育む STEAM 教育(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematics の分野を 統合的に学ぶ教育)にも大きく寄与することができたと考えています。本校は、今後もこのような小中学生に高専のこと・技術者のことを知ってもらう企画を実施していく方針です。 概要 ◆名称 神島小中学校の児童・生徒による一日高専体験 ◆日時 令和7年5月22日 ◆場所 鳥羽商船高等専門学校 練習船鳥羽丸、マルチラボ教室 ◆参加者 神島小学校児童5名、神島中学校生徒1名、引率教員9名、本校教職員13名、アシスタント学生3名 本件に関するメディア報道 NHK津放送局 まるっとみえ 令和7年5月22日放送 離島の小中学生がロボットのプログラミングを体験 三重 鳥羽|NHK 三重県のニュース(外部サイト) ZTV いせトピ 令和7年5月26日~28日放送 ZTVコミュニティチャンネル 【2025年5月26日(月)更新号】(外部サイト)