鳥羽商船高等専門学校について Q1 高等専門学校の特色は何ですか? A1 5年間一貫教育で、実験・実習を重視するところです。高専では、普通高校とおなじ英語や数学などに加えて、工学や海運についての専門的な科目を学びます。高専の5年間は高校+短大の期間に相当しますが、途中に入学試験がないので、受験勉強に妨げられることなく、ゆとりある環境でのびのびと勉強できます。また最終学年では集大成として卒業研究を行います。独自のテーマを選び実際の調査や実験を通じて研究成果をまとめます。さらに、専攻科に進学し、2年間の学修を終えれば、4年制大学と同等の学位を取得することも可能です。 Q2 一般の高校との違いは何ですか? A2 文部科学省の区分では、高校は中等教育機関ですが、高専は大学と同じ高等教育機関です。 在校生は「生徒」ではなく「学生」という身分で、自主性・自立性を尊重して扱います。「学生」には責任ある行動が求められます。授業は2時間連続の90分授業です。授業間の休み時間は10分で、昼休みは50分です。2学期制で夏休みや春休みが長いのも特徴です。 Q3 なぜ就職に有利なのですか? A3 日本経済に必須の分野について学ぶ学校だからです。 日本は資源に乏しい島国ですから、モノやサービスを作って世界に売ることで日本経済は成り立っています。情報機械システム工学科ではこれらの工業製品や情報システムの生産方法、管理方法を学びます。そして、日本と世界をつなぐ物流の要が海運であり、この分野について学ぶのが商船学科です。こうした分野の即戦力になれる技術者を育てる学校だからこそ、多くの企業から必要とされています。 Q4 卒業してから大学に行けますか? A4 はい、大学に編入ができます。 現在、多くの国公私立大学が3年次および2年次編入試験により、高専からの編入生を受け入れています。主として高専卒の学生を編入生として受け入れるために設立された大学として、豊橋技術科学大学や長岡技術科学大学があります。ほかの大学にも編入学が可能です。編入学には、推薦による入学と学力試験に合格しての入学の2通りの方法があります。編入学試験は大学によって時期が異なるので、高校を卒業して大学を受験するよりも受験の機会が多くなり、試験科目も少ないため、受験の負担が少なくなります。また、大学ではなく本校の専攻科に進学し、学士の学位を取得する方法もあります。 Q5 どんな学科がありますか? A5 情報機械システム工学科、商船学科があります。情報機械システム工学科は4年になると専門性ユニットと志向性ユニットを選択します。商船学科は2年生の終了時に航海コースと機関コースを選択します。 Q6 専攻科とは何ですか? A6 情報機械システム工学科、商船学科を卒業後、さらに2年間勉強する学科です。 修了して学士の学位を取得すれば、四年制大学卒業と同等と見なされます。 Q7 海外留学、海外研修はできますか? A7 できます。 平成20年にシンガポ-ルポリテクニックのマリタイムアカデミーと国際交流協定を結び、夏休みに学生交流と短期の語学研修(英語)をおこなっています。また、平成26年から、トルコのイスタンブル工科大学と国際インターンシップをおこなっています。他にも、約3週間のホームステイを行うプログラムがあります。また、1年間休学をして、アメリカやオーストラリアに私費で語学留学する学生もいます。 Q8 外国人留学生がいると聞きましたが、何名ぐらいの留学生がいますか? A8 現在は4名です。 現在、マレーシア、インドネシア、モンゴル、ラオスから各1名の計4名が、本校で勉学に励んでいます。 Q9 学科別の略称は何ですか? A9 情報機械システム工学科がJ科、商船学科がS科、商船学科航海コースはNコース、機関コースはEコースと呼ばれています。 また現在はなくなりましたが、電子機械工学科がM科、制御情報工学科がI科と呼ばれていました。 Q10 制服はありますか? A10 あります。男子は学生服、女子はブレザーです。 1年生から3年生までの低学年の間は制服での登校を義務づけています。4年生から5年生の高学年は、儀式の際には制服を着用しますが、ふだんは私服で過ごしています。 また、商船学科には卒業式と乗船実習の際に着用する白い制服が別にあります。男子は白の学生服、女子は白のブレザーにスカートです。 入学試験について Q1 一般推薦の作文について教えてください。 A1 時間は60分で、字数は原稿用紙800字以内です。 作文の課題については以下を参照してください。 https://koho.s.toba-cmt.ac.jp/wp/wp-content/uploads/suisenkako2023.pdf Q2 最寄り地受験制度について教えてください。 A2 国立高等専門学校機構では「学力選抜」において、出願する高専に関係なく全国にある51の国立高等専門学校とその他設置している会場のどこでも受験が可能な制度です。ですが一部の会場は特定高専のみ受験が可能になっています。 在学中の経費について Q1 在学中にかかる費用を教えてください。 A1 入学料は84,600円、授業料は、年間234,600円(月額換算19,550円)です。その他教科書、制服、作業服、奨学後援会会費、学生会会費、雑費、入寮する方は寮費などがかかります。 Q2 学費が高いのではありませんか? A2 最初の3年間だけみると公立高校に比べて高いという印象になると思いますが、5年間(高校→短期大学との違い)や7年間(高校→大学との違い)の総額を比較してみてください。 また平成22年度より、高等学校就学支援金制度が始まり、入学より36カ月(1~3年)については年額118,800円の助成があります(年収910万円以上の世帯は除く)。また、保護者の所得によっては、授業料全額が助成される場合もあります。本科4年生から専攻科2年生までについては授業料減免制度があります。 情報機械システム工学科について Q1 情報機械システム工学科でも船に乗るのですか? A1 体験航海のようなかたちで練習船に乗る機会はありますが、船のことを勉強するのは、商船学科だけです。 本校は攻玉社分校、鳥羽商船黌として明治14年(1881年)に創立されて以来、135年の長い伝統をもっていますが、工業系の学科として昭和60年に電子機械工学科、昭和63年に制御情報工学科を設置し、平成31年にそれらを統合し情報機械システム工学科を設立しました。これは他の工業高専と同じく工学について学ぶので、商船高専だからといって特別な実習はありません。 Q2 情報機械システム工学科でプログラミング以外の専門科目は何をしますか? A2 情報系だけに限らず、電気電子や機械の分野の科目も存在します。 本校では1~3年生の間にこれら全ての分野の基礎を学習し、4年生以降1人1人が学びたい専門分野を選択して学習します。 Q3 研究室ではどのような活動をしていますか? A3 2年生以上の学生は授業の一環として研究室活動に参加し「学外コンテスト出場」または「地域貢献PBL」を行っています。テーマは農業や水産など地域の活性化につながる取り組み、システム構築等、多岐にわたります。また、1年生でも希望すれば放課後に研究室活動に参加することができます。 Q4 専門性ユニットと志向性ユニットには何がありますか? A4 専門性ユニットは、情報工学分野として「データアナライズ」、「モバイルアプリケーション」、電気電子工学分野として「スマートセンシング」、「パワーエレクトロニクス」、機械工学として「エアロスペース」、「ロボティクス」があります。 志向性ユニットは「開発・設計」、「生産技術」、「顧客対応」、「ビジネス基礎」、「国際性」があります。 選択したユニットによって必修科目が変わるので学生の個性・特性に合ったものを選ぶことができます。 Q5 専門性ユニットのそれぞれの内容を教えてください。 A5 データアナライズは、ビッグデータ解析、人工知能による認識処理などを実装できる技術者を育成します。 モバイルアプリケーションは、スマートフォンやタブレット端末による各種アプリケーションを開発できる技術者を育成します。 スマートセンシングは、身の回りにある情報を定量的に計測し、分析・可視化を行う技術者を育成します。 パワーエレクトロニクスは、住所や事務所向けの電力供給・管理システムの整備、保守を担う技術者を育成します。 エアロスペースは、航空宇宙産業の製造現場で活躍するため、生産現場の管理運営能力を持つ技術者を育成します。 ロボティクスは、生産を担うロボットの開発、設計、製作、制御、整備ができる技術者を育成します。 Q6 志向性ユニットのそれぞれの内容を教えてください。 A6 開発・設計は、開発・設計業務に携わるために必要な高度な理数系の知識を修得します。 生産技術は、生産現場のとりまとめとして幅広く技術を理解し、各部門の要望をまとめる調整能力を培います。 顧客対応は、電気機器やビルシステムの導入・保守運用をするための顧客との交渉力を養います。 ビジネス基礎はビジネス的な視点を持つ技術者として活躍するために、経営・管理などを学びます。 国際性は、グローバルな視野を持ち、英語を中心とした語学力の向上を進めます。 商船学科について Q1 商船学科の実験実習は何ですか? A1 授業だけでは理解できない内容を体験することで身に着けることができます。また国家試験の内容を実際に行ったり使用したりできるので理解しやすいです。 Q2 商船学科の航海コースと機関コースはいつ選択しますか? A2 2年生の終了時に選択します。どちらのコースを希望するかは、本人の希望を尊重して決定します。 航海コースは、航海士や船長を養成するコースです。将来、学生が貴重な人命と莫大な財産である船や高価な積荷を安全に、かつ経済的に目的地まで送り届ける重要な仕事を全うできるような教育を行っています。 機関コースは、機関士や機関長を養成するコースです。学生が主機関、補助機関、発電機やその他多くの種類の機械の運転や保守に精通する高度な技術や知識を身に着けられるような教育を行っています。 Q3 乗船実習について教えてください。 A3 2年生次に1カ月、4年生次に5カ月、6年生次に6カ月間の乗船実習があり、独立行政法人海技教育機構の練習船で行われます。 この実習では、他の商船高専の学生と一緒に実習することが多い他、文部科学省系の国立大学法人「東京海洋大学」、国立大学法人「神戸大学」、および国土交通省所管の海上技術学校、海上技術短期大学校、海技大学校の生徒、学生とも一緒に練習船に乗船して実習を受けることもあります。様々な教育機関の学生・生徒から見識を得ることができ学生の成長に大きく役立っています。 Q4 練習船は何がありますか? A4 鳥羽商船高専所属の練習船「鳥羽丸」、「あさま」と海技教育機構所属の練習船「日本丸」、「海王丸」、「青雲丸」、「銀河丸」、「大成丸」があります。 授業について Q1 テストは難しいですか? A1 赤点は60点と一般的な高校の基準よりも高いですが、授業をしっかりと聞いていればテストの難易度は高くありません。また、成績自体はポートフォリオ(課題)なども加味されるため、課題提出も重要になります。 Q2 授業の始まりと終わりの時間を教えてください。 A2 授業は1時限が8時50分から始まり、8時限が16時00分に終わります。 Q3 鳥羽商船高専ではどのような勉強ができるのですか? A3 授業科目は、一般科目(国語、数学、理科、社会、保健体育、外国語等)と専門科目(学科によって異なる)からなっています。 学生生活について Q1 ロボコン大会など、コンテストについて教えてください。 A1 「全国高等専門学校ロボットコンテスト」は、昭和63年から開催されている教育イベントです。毎年NHKで放映されるので有名になりました。本校も平成元年から毎年参加しています。また、ソフトウェアのプログラム開発を競う「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」にも毎年出場し、平成25年、28年、29年、30年、令和3年には文部科学大臣賞を受賞しています。また、マイクロソフト社が主催するITコンテスト「Imagine Cup」では平成26年、30年大会で日本代表に選出され、米国シアトルで開催された世界大会に出場しました。ほかにもアイデアやデザインを競うコンテスト、学内で行われるハッカソンなど気軽に参加できるコンテストなどもあります。 Q2 おすすめの資格、また取ることの利点について教えてください。 A2 情報機械システム工学科では、低学年の場合はITパスポートの取得をおすすめします。情報系の勉強をするにあたって初歩的な知識を得ることができます。次のステップに進む場合は基本情報技術者試験の取得をおすすめします。コンピューターサイエンス、プログラミングから経営戦略、法務まで広範囲を学習する必要があります。そのため情報系の仕事に就くにあたって知識やスキルをアピールするポイントになります。 商船学科では卒業後は、大型外航船の士官になるために必要な海技士免許である三級海技士の筆記試験及び免許講習が免除されるので、口述試験と身体試験に合格すれば三級海技士免許上が得られます。在学中にはさらに上級の二級海技士、一級海技士の筆記試験を受けることができます。 Q3 パソコンやスマートフォンは必須ですか? A3 ノートパソコン、スマートフォンは授業で使うので必須です。インターネットは学校内でも寮内でも利用可能です。 寮生活について Q1 寮の門限はありますか? A1 門限は全学年を通じて20時です。また自室の前に立って当直教官に対して異常がないか報告する巡検があります。巡検の時間は3年生までは朝の7時と夜の19時、22時です。4年生以降は夜の22時のみです。 Q2 寮内で開催されるイベントはありますか? A2 行事はクリスマス会やBBQ大会、球技大会、5年生を送る会などがあります。 Q3 寮生活は厳しいですか? A3 寮には、寮生で構成する寮生会組織があり、寮内の集団生活を円滑にするために、いろいろなルールを決めています。最初のうちは集団生活に慣れる必要があるので、厳しいと感じることがあることも多いと思いますが、少しずつ寮生活に慣れ、同級生や上級生と交流を深めていきましょう。 Q4 女子寮はありますか? A4 あります。 行事について Q1 オリエンテーションについて教えてください。 A1 1年生が入学してすぐの4月に学校や学校付近を歩いて回ります。地域を知ることと新しい仲間と親交を深めることが目的です。 Q2 体育祭について教えてください。 A2 体育祭は毎年6月に行われます。学生たちが出場したい競技を選び、クラスごとのトーナメント制で競い合います。 Q3 海学祭について教えてください。 A3 海学祭は毎年12月に行われます。学生によるライブパフォーマンス、豪華景品が貰えるビンゴ大会やクラスごとに出店される模擬店があり毎年大盛り上がりします。 Q4 高専大会について教えてください。 A4 高専生のみで行われる全国大会です。種目によって開催時期は異なりますが、多くの場合7月に行われます。種目は陸上競技、バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、卓球、柔道、剣道、野球、サッカー、ハンドボール、テニス、バドミントン、水泳、ラグビーがあります。 Q5 工場見学について教えてください。 A5 就職活動を間近に控えた情報機械システム工学科の4年生が秋ごろに様々な企業を見学しに行きます。年によって行く場所や予定は変わります。 その他 Q1 図書館で本を借りるにはどうしたらいいですか? A1 借りたい本と入学後に渡される自分の「利用者カード」を係員に見せることで借りられます。貸出延長は、図書を持参して再手続をしてください。卒業研究用に借りたい図書は「卒業研究用参考図書帯出申込書」を提出してください。返却手続きは期限内に必ず本人がカウンターまで返却してください。 Q2 学食は何がありますか? A2 カレーや鳥マヨ丼、うどん、そば、ラーメンに加え毎日日替わりのランチや日替わり丼があります。安価に食べることができるので毎日多くの学生が利用します。ランチ以外はテイクアウトも可能です。 Q3 自転車通学、自動車通学は可能ですか? A3 どちらも申請をすれば可能ですが、自動車通学は4年生以上からの許可制となっています。 また自転車通学は池の浦駅-学校間では、池の浦駅に駐輪場がないため不可となっています。 Q4 制服はありますか? A4 あります。男子は学生服、女子はブレザーです。 1年生から3年生までの間は制服での登校を義務づけています。4年生から5年生の高学年は、儀式の際には制服やスーツなどの正装を着用しますが、普段は私服で過ごしています。 Q5 体操服はありますか? A5 学校指定の体操服はありません。各自で動きやすい服装を持参します。 Q6 留年はどのくらいの人がしますか? A6 年度によりますが、平均的に学年2~3人程です。