鳥羽商船高等専門学校(以下、「鳥羽商船高専」)は、次世代を見据えた人財育成のために2025年度を「成長元年」と位置づけ、“シン・鳥羽商船高専”をスタートさせます。 鳥羽商船高専では今までも常に、未来を見据えた教育の在り方を検討・実践してまいりましたが、近年求められる人材は、急速な技術発達に伴い高度化・複雑化されてきています。そのような現代のニーズに合う高度教育と人財育成に向けて新たな幕開けをいたします。 ①【高度情報工学コース】の設置~進化に対応する高度デジタル人財を育成~ プログラミング、生成AI、サイバーセキュリティといった高度な情報技術の進展や、デジタルトランスフォーメーション(DX)による需要の拡大に伴い、高度情報人材の必要性がさらに高まっています。 しかしながら日本においては、こうした高度情報人材が著しく不足しており、その育成は喫緊の課題です。このような状況を踏まえ文部科学省は、大学・高等専門学校に対して「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化支援事業」を展開し、本校は第1期校として採択されました。 本校情報機械システム工学科において、2025年4月入学の学生に対して、新たにデジタル人財育成に特化した「高度情報工学コース」(定員40名)を設置するとともに、引き続きニーズのある機械・電気電子を広く学べる「総合工学コース」(定員60名)のカリキュラムも再編することとしました。 「高度情報工学コース」の設置により、世の中のニーズに対応したデジタル分野に特化した高度人財を、シン・鳥羽商船高専から社会に送り出すことが可能となります。 *高度情報工学コース カリキュラム* “早期入学確約・ 入学前からの教育”を実現 【高度情報エンジニア育成特別選抜】の新設 高度な科学技術に興味・関心がある人材を早期に発掘し、入学後にリーダーシップを持って活躍できる技術者を育成することを目的にした新たな入試選抜方法として、「高度情報エンジニア育成特別選抜」を設置しました。 この選抜は、受験生が課題解決に関するプレゼンテーションを行い、それに対する質疑応答を加味して評価するというもので、早期に入学を確約し、入学前から体系的な教育プログラムを実施することが可能となる先進的な選抜方法となります。 この方法の導入は、多様な個性の受験生や意欲ある受験生にとっても門戸が拡がることとなります。 *高度情報エンジニア育成特別選抜(高度情報工学コースのみ最大20名)概要 出願資格 ●2年,3年1学期(前期後期制は前期)調査書:9科目評定(5段階)の総計が72以上 かつ全科目において評定が3以上 ●科学・技術や国際交流等に対する興味・関心を有し、当該コースを志望する動機・理由が明確・適切である ●本校への入学の意志が確実な者試験内容(面接:スライドを用いた説明及び質疑応答を含む) ●自らが課題解決のために考案したシステムに関する説明スライドを出願時に提出 ●面接試験では、そのスライドを説明し、説明に対する質疑応答および目的意識・学習意欲・適性などを問う※2026年度の選抜方法については変更予定 ②自動運航・遠隔操船が可能な最先端練習船 【新・鳥羽丸】が就航 2025年度より第4代鳥羽丸が就航します。実践的な実習が行える「操舵室」「機関室」が構築されているほか、 危険がある時に船の航路変更を提案するなどの自動運航の機能も持ちます。 さらには学校と船舶をリアルタイムで結ぶ通信装置も備えられており、遠隔からの操船が可能となります。 鳥羽商船高専での航海実習や研究航海において、この最先端の船がスマートな教育を実現することはもちろん、 災害支援による社会や地域への貢献もできる最新の設備も備えます。 ▼練習船「鳥羽丸」四代目|池の浦に初帰着 2025/3/13 https://www.youtube.com/watch?v=CD-AFF1AXOM ③深化するカリキュラム~新鳥羽丸を活用した次世代海事人財~ 商船学科では、STCW条約(船員訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約)に関わる必修科目を 軸に、新鳥羽丸が持つ新たな技術も十二分に活用した教育を実施する為、上級生に配置する選択科目群を 最適化します。 次世代の海事産業で活躍できる技術者を養成する為に必要な「浮体式設備」「エネルギープラント」 「スマートシップ」「海洋環境」といった科目群を配置し、将来就く職種に対応した履修モデルを展開していきます。 このうち、「スマートシップ」ユニットでは、情報機械システム工学科の開講科目を受講可能とすることにより、 生成AIやDXの知識・技術を有し、海洋・海事DXを推進することができる次世代海事技術者を育成することが できるようになります。