令和7年2月8日(土)~13日(木)、鳥羽商船高等専門学校においてKOSEN Global Camp at Tobaを実施しました。 KOSEN Global Campは、国立高等専門学校の国際化促進を目的とし、高専生や海外の学生が協力して、テーマに沿った課題解決型学習を実施する短期集中型の教育プログラムです。本校では初めて開催されました。 今回、本校が実施したのは「サーキュラーエコノミーを志向する社会システム及びビジネスモデル設計」というテーマのKOSEN Global Campです。世界各国の社会文化背景を理解し、技術を基にしたサーキュラーエコノミーモデル(循環型経済発展)の立案を通して、共感される提案や合意形成とはいかなるものかを経験するという内容でした。具体的なプログラムは次の通りです。 海水淡水化装置の発案と製作 海水淡水化システムを通したビジネスモデルの提案 リーダーシップ・価値創造・技術者マインド講座の受講 サーキュラーエコノミーを展開するスタートアップ企業見学 伊勢志摩鳥羽の文化体験 今回実施されたKOSEN Global Camp at Tobaは、開始時期が強い冬寒波の到来と重なり、雪の影響で参加者の本校到着が大幅に遅延するといった予想外の事態から合宿が始まりました。しかし、どの参加者も臨機応変に対応し、無事、6日間のスケジュールをこなすことができました。 本校からの参加者は、「コミュニケーションをとることが一番難しかった。母国語が英語でない参加者もいたため、どのようにしたら考えを共有できるのか、チームワークが試された」と話しました。また、海外からの参加者は「英語は母国語だが、アクセントの違いは興味深かった」、「チームワークがとても大事だと思った」、「文化の違いを知るよい機会になった。参加者同士のコミュニケーションをより良くするため、もっと時間が欲しかった」と話し、どの参加者もKOSEN Global Camp at Tobaから多くのことを学んだと述べていました。 KOSEN Global Camp at Tobaを終えたあと、この合宿を主導した本校情報機械システム工学科の児玉謙司准教授は「このKOSEN Global Campを無事終えることができ、参加者全員が無事に家に到着したという報告を受け、安心している。予想外のこともあり、対応に苦慮したこともあったが、キャンプの準備や進行に活躍した本学学生、教育に参画いただいた企業の皆様はじめ、多くの方々のご協力により素晴らしいキャンプとなった。すべての方に感謝したい。事前の4回のオンライン学習では各国の水事情の理解や装置の概念設計を行った。一週間の対面活動では、海水淡水化装置の設計製作、性能評価実験、技術レポート作成、ビジネスモデル立案、プレゼンテーションまでを完成させる取り組みを実施した。短期間で大変ハードな取り組みだったと思うが、8か国からなる参加者達が素晴らしいチームワークを発揮し課題解決に向かう姿に感動した。開催した本校としても多くの成果を得ることができた。今後、参加者・関係者から意見をもらって振り返り、次回開催に向けて動き出したい。」と話しました。 概要 KOSEN Global Camp 2024|サーキュラーエコノミーを志向する社会システム及びビジネスモデル設計 日時:2025年2月8日(土)~13日(木) 場所:鳥羽商船高等専門学校(三重県鳥羽市池上町1番1号)およびその近隣施設 参加学校: College of Industry and Trade(ベトナム) KAUAI Community College(アメリカ合衆国) OTAGO Polytechnic(ニュージーランド) Singapore Polytechnic(シンガポール) 木更津工業高等専門学校 熊本高等専門学校 舞鶴工業高等専門学校 鳥羽商船高等専門学校 1日目|ウェルカムパーティー 2日目|設計アイデアソン(場所:UMILABO/志摩市) 3日目・4日目|リーダーシップ・価値創造・技術者マインド講座の受講(場所:FOLK FOLK/伊勢市,Anchor. 漁師の貸切アジト/鳥羽市) 5日目・6日目|淡水化装置のデザイン・製作(場所:鳥羽商船高専/鳥羽市) 6日目|技術レポート作成・ピッチコンテスト(場所:鳥羽商船高専/鳥羽市) 6日目|表彰式・送別会(場所:鳥羽商船高専/鳥羽市) ※このKOSEN Global Campは、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の国際青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプログラムおよび下記に示す企業・組織からの支援を受けて実施されました。 ・国立高等専門学校機構 ・宇部工業高等専門学校 ・木更津工業高等専門学校 ・キクカワエンタープライズ株式会社 ・株式会社鈴工 ・株式会社UL JAPAN ・泉州村上技術士事務所 ・ダイソウ工業株式会社 ・アスカ工業株式会社 ・鳥羽市商工会議所 ・三菱電機株式会社 ・株式会社前川製作所 ・内閣府 ・英国王立問題研究所 ・滋賀県高専設置準備室 ・鳥羽水族館 ・うみらぼ株式会社 ・株式会社FOLK FOLK ・株式会社GOWILD (順不同) 活動報告 (日本語) 第75号:鳥羽商船高等専門学校|2024年活動レポート:過去の実績を紹介|さくらサイエンスプログラム(JST) (English) vol.34:National Institute of Technology, Toba College|2024 Activity Report | Sakura Science Exchange Program (JST) 参加校による活動報告 Singapore Polytechnic(シンガポール) Chemical Engineering students had an engaging exchange at Toba College, Mie, Japan OTAGO Polytechnic(ニュージーランド) Engineering students enjoy interactive exchange KAUAI Community College(アメリカ合衆国) Kauaʻi CC students shine at international innovation camp 参考 鳥羽商船高等専門学校 グローバル教育推進室