第26回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーに出展しました

 令和6年8月21日(水)~23日(金)、東京ビッグサイトで開催された第26回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーに鳥羽商船高等専門学校とエザキラボ株式会社が合同で出展いたしました。

 本展示会は国内外から水産業界関係者が集まる日本を代表する国際水産見本市です。食品、漁業・養殖業・機器システム開発など幅広い分野の方が来場します。本校とエザキラボ株式会社は海面養殖に関する製品5つを出展しました。

 

①うみログ

既存のスマートブイによるセンサを用いた水温やDO、クロロフィルa等の観測機能だけではなく、カメラによる静止画・動画の撮影機能、さらには接点信号の制御機能を付加したスマートブイである。またソーラーパネルを用いることで自立電源による通念運用が可能である。低下価格化に加えて設置作業の簡略化にも配慮しており、2021年のリリース以降、三重県を中心に全国で導入が進んでいる。

②海面自動給餌

本システムはネットワークカメラによりリアルタイムで画像識別による活性判定を用いて、給餌量を適切に調整することが可能。マダイの養殖業では、生産コストの6割以上を飼料代が占めている。本システムを用いることで無駄エサの削減や経費負担の削減、環境負荷の軽減につながる。識別器は養殖筏ごとにネットワークカメラを用いて撮影した摂餌中の画像と非摂餌中の画像を用いて生成しており、その正答率はおおよそ98%である。

③海苔養殖支援

機械学習用いて、過去の気象、海象データと海洋観測機で収集した潮位偏差データから未来の潮位偏差から未来の潮位を予測し、最適のり網高さを提案。また、ネットワークカメラの画像を用いて、食害の原因となるカモ・魚を検出し、食害被害があるときのみ音を鳴らし追い払いをする。本システムを用いることで、海苔養殖における海苔網の干出不良対策や食害被害を削減することが可能。

④定置網漁獲予測

定置網における、過去10年の漁獲量と海象・気象データをもとに回帰分析を用いて、天気予報のように未来の漁獲量の予測を行うことが可能。漁獲時期と最大漁獲量を正規分布モデルで表現することでメンテナンス作業を行う日程の決定や市場への事前連絡ができる。

⑤LINE配信

うみログで得られた海象データをLINEで配信することが可能である。海面養殖自動給餌では、どこにいても摂餌状況の確認が可能になった。海苔養殖においては、水温・潮位情報、食害検知の通知を行うことが可能である。定置網漁では、網内の設置したカメラを用いて、魚検出AIで判定を行い、魚がいる場合に画像をLINEにて送信する。このことにより、現在の入網状況を確認可能である。

 

 本校の出展ブースには非常に多くの方が訪れ、特に漁業・養殖業に関わる方からの来場が多く見られました。また、企業だけでなく、自治体の方や大学に所属する方からの来場もあり、水産業に携わる方から研究する方まで幅広い分野の方に本校の技術を紹介することができました。来場者からは「三重県外でも設置・対応可能か?」「どれくらいの実績があるのか?」「海面養殖が主な実績だと思うが、陸上養殖でも使用可能だろうか?」「自動給餌システムを自分の漁場に合わせて変えることはできるか?」といった積極的な質問がありました。

 出展側として参加した本校情報機械システム工学科江崎研究室所属の5年生は、「研究室の先輩や自分たちが技術開発している製品について多くの方に説明することができてよかったです。漁業や養殖業の知識については来場者の方が詳しく、頂いた質問への回答が難しいと感じることもありました。しかし、直接会話することで勉強になったところも多くありました。今後の技術開発に活用したいと思います」と感想を述べました。

 

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