ご挨拶

 独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校は、校祖近藤真琴翁が明治8年(1875年)9月に芝新銭座二番地(現在の東京都港区浜松町)に航海測量習練所(後の商船黌)として創基し、その分校として明治14年(1881年)8月20日にこの地である三重県鳥羽町に鳥羽商船黌として創立されました。その後、私立、市立、県立などの変遷を経て、昭和42年(1967年)6月に国立鳥羽商船高等専門学校としてあります。本校はまさに長き良き伝統に支えられ、今日に至っております。
 創立以来、我が国の産業界の変化に対応して順次学科の新設・改組を行い、平成17年(2005年)4月には専攻科海事システム学専攻、及び、生産システム工学専攻が設置されました。平成31年(2019年)には、現在の商船学科、情報機械システム工学科の2学科体制となりました。
 卒業生・修了生は、令和6年3月で8,049名を数え、海運産業、同関連産業をはじめとして、我が国の産業界において優秀な技術者を輩出し、日本社会の産業発展に大きな貢献を積み上げてきました。
来年の令和7年(2025年)は、航海測量習練所の創基から起算し、150周年の記念すべき年となります。同年3月に新練習船「鳥羽丸」を迎え入れる予定であり、また大型化した練習船対応のための浮桟橋の更新も進めています。さらに、令和5年に成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援にかかる大学・高専機能強化支援事業の採択を受け、令和7年4月に、情報機械システム工学科に高度情報工学コースを新しく設置し、学生の受け入れを開始する予定です。
 本校の伝統を未来につなぎ、海事、海洋、情報、電気電子、機械などの多岐にわたる産業にGXやDXを踏まえた海運をはじめとする成長分野に人材を輩出していく新たな展開を起こす契機とし、卒業生、修了生及び産業界や地域との共創、母校の将来の展望とその実現を期して、独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校創基150周年・高専創立60周年記念事業基金を設立しました。これより、修学支援や教育研究環境の整備等をますます充実させていく所存です。また、「独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校創基150周年・高専創立60周年記念事業委員会」を組織し、記念行事、及び、記念事業を計画し推進させていただくことに致しました。前途有望な青年を育成する鳥羽商船高等専門学校への益々のご協力とご支援をいただきますようによろしくお願い申し上げます。
何卒皆様方の熱意ある御支援を頂き、この記念事業における所期の目的が達成できますよう基金にご賛同をいただきたく衷心より格別のご支援をお願い申し上げます。

令和6年5月吉日
鳥羽商船高等専門学校長 古山雄一

鳥羽商船高等専門学校 第25代 校長 古山 雄一