-次世代で活躍する高度な海洋人材の育成・災害支援機能を備えた練習船-
- 1.ベルマウス&ホースパイプ模型試験
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2023年10月13日に「株式会社シモダBM設計」(広島県広島市)で、「三菱重工マリタイムシステムズ株式会社」立会いのもと、鳥羽丸代船のベルマウス及びホースパイプ模型試験が行われました。
【ベルマウスとは】
錨をスムーズに投錨することが出来て、錨鎖がねじれることなく安定して収納するために船側外板に設けられたドーナツ形状の部品です。
【ホースパイプとは】
船側外板に設けられたベルマウスから甲板上の揚錨機まで錨鎖を導くためのパイプです。模型は1/2.907スケールで作製されていて、縮尺は使用する錨(アンカー)模型によって決まるそうです。
社長にお話を伺うと、まず「知識」と「経験」を活かして手作業でベルマウス模型を作製するそうです。そこから何百回も実験を繰り返して型を1mm単位で修正していくそうです。
船首では、一等航海士が錨の揚錨や投錨の作業を指揮します。その揚錨時に錨の爪で船体を傷つけないように慎重に錨を収納します。特に錨の爪が内側(船体側)に向いているときは船体に当たることが多く細心の注意をおこないます。
「約100mmまで接近しますが、絶対に錨で船体を傷つけることはありません。安心してください。」と自信に満ち溢れたお言葉をいただきました。
もちろん模型試験は、コメントなしでした。
ここからベルマウスは、3Dでデータ化されて図面が出図されます。そして鋳造で一体成型されます。
鳥羽丸代船の「Smooth Bow」コンセプトでシャープな船首形状にマッチした最適形状のベルマウスになったと思います。
ちなみにこのような特殊設計を行う会社は日本で2社しかないそうです。
鳥羽丸代船には、このような「知識」と「経験」を活かした熟練した職人技の構造部品も使われます。
新鳥羽丸にご乗船されましたら、ぜひ思いをはせていただきたいと思います。

